二人の写真は同じように街の人々や風景を撮っていますが、見るものに与える印象は全く違います。
木村伊兵衛の写真からは、撮影された瞬間の前後の人の動きや風景が見えてくるような時間の流れを感じるのですが、ブレッソンの場合は目の前にある写真がすべてです。
しかし、白から黒までの階調の見事な配分と配置が、写真に複雑な奥行きとリズムを生み出していて、一旦写真の前で釘付けになった視線は、写真の隅々にまで誘われいつまでも魅了され続けます。
あたかもブレッソンの写真の時間を生き始めるような、そんな高揚感がありました。
この日は午後になっても光は強く美しいままでした。


それにしても、管理人さまの写真もなかなかですね。恵比寿の写真美術館て素敵!